F1観戦記:2004年シーズン


    今年はこき下ろす相手がいないので寂しいです。誰かいないか。

    R1オーストラリア
    イタリアとドイツ人以外、誰も期待していなかった赤い旋風。オフシーズンのようすでは今年も辛いかなと思わせていたのに、PP、FL、WIN、あまつさえ全周回1位。あとは全車周回遅れを残すだけの記録で71勝目。こいつがいる限り「誰が勝つか」という興味の沸く余地はないのか。このままでは本当に勝ち逃げ(引退)してしまうぞ。それは誰も(たぶん本人も)望んでないはずだ・・・とはいうものの追撃者1番手のキミは速攻リタイアに終わる始末。彼はどうも嘘をつけないキャラのようだ。弱気な発言をしたときはまず振るわない結果に終わるだろうな。さらに2番手のウイリアムズはお家騒動が勃発したみたいでまるで当てにならん。フェルナンドとルノーのパッケージが今年も益々好調らしいので、彼にゲルフの先鋒を期待しよう。そのルノー勢、ヤルノは完全に喰われちゃったねえ。タクマも同じようにジェンソンを喰ってくれると、ステップアップにつながるのだが。そう、確かに今年はペースカーが出動しなかった、静かなレースだった。

    R2マレーシア
    予選を見て、終わったと思った人は多いはず。フェルナンドが最後列、キミも中団、周囲をあっと驚かせるセカンドポジションもマークじゃレース運びに期待できず、ウイリアムズも開幕直前から不安ばかり。かくて決勝は案定赤いヤツのほぼ独走。ファン=パブロがFLを奪って猛追し、唯一気を吐いてくれたくらいだ。そしてジェンソン、一昨年セパンで取り忘れた表彰台をついに手に入れた。BARとしても漸くフロックでない強さを見せてきたと云える。それだけにタクマのブローは痛かった。キミはまたしても完走できず。それにしてもちょい濡れ路面は、かつてブリヂストンが得意にしていたはずなんだがな。

    R3バーレーン
    皇帝3タテ。それも3拍子揃えてとは、やっぱり初物に強かった。砂塵も存外にエンジンには影響しなかったようだ、メルセデス以外・・・。2002年が再現されるとしたら、それはやっぱり空気を読まないドイツ人のせいではなく、ヤツに追いつけない周囲の連中の責任だろう。それにしても最近おとなしいドライバーが多いから、タクマみたいなのが暴れると外野がとかくやかましい。まあ、結果を伴ってくれば自然鎮火するんだろうけど、あるいは豪州でウェバー、スペインでアロンソなんかでも同じように、レースの浮沈のたびに吉害どもが騒いでるのだろうか。ともかくラルフはドア閉めすぎ。降格処分にならなかったのは両者ともリタイアしなかったからなのか。今シーズン皇弟まったくいいところなし。昨年の追撃者キミも、というより彼のマシンは目も当てられない惨状。2戦目こそ40周まで保ったが、あとは周回2桁にすら至らずエンジンブローつうのは一昨年の絶不調シーズンよりなお悪い。デイビッドもベテランらしく諦めの悪い走りをしていたけど、コレもマシントラブル。いっぽうでジェンソンはノってきたね。ホンダも漸く本領を揮い始めたようだ。ミシュランとの噛み合わせが良くなればもっと安定するだろう。それに比べてトヨタの為体は・・・ジャギュアの悪いところをなぞってるようだ。

    R4サンマリノ
    ジェンソンが初ポール。でも皇帝4連勝。ヤツを本気にさせたってことで、いいパッケージになってきたわけだ。キミがようやく完走でポイントゲット。遅かりし由良助。しかし面白いものだね、セナが後押ししたポールポジションって、なんだそれ。所詮その程度の認識なのか日本人メディアは。死亡事故が起きたらセナが引っ張ったとでも書いてみろや。

    R5スペイン
    ずるずる落ちていったのがなんか厭な印象のタクマだった。でも予選3番手は悪くない。BARとルノーのチーム力の差だろう。それにヤルノはとにかく速かったしね。あの1コーナーはびっくりしたよ。しかし結局は前回と同じパターン。おまけに序盤でエクゾーストが割れかけていたのにも拘らず、たいしてタイムダウンしないままトップチェッカーてのはどうゆうことなんだろう? ルーベンスは作戦がぴたりはまったという感じだが、ミハエルを抜けなかったのか抜かなかったのか。さりげなく今期3回目のワンツー。1戦置きにやる気かな? なんだかんだいって5連勝なのね。

    R6モナコ
    荒れた荒れた。どだい逃げ場のない市街地サーキットでこんなことするから荒れるんだ。エンジンブローはタクマのせいじゃないとしても、あんな煙幕のなかでよけろってほうがムリだ。ジャンカルロもデイビッドもご愁傷様。ただしツイてるドライバーはそれでもよけられるんだけどね。ミハエルはちょっぴりおイタが過ぎたかも。いつものことなんだけど。しっかしアロンソは弟をパスし損ねてクラッシュ、兄はSC走行中ファン=パブロに釜を掘られ、いずれもトンネル内の出来事とはね。どうやらウイリアムズは普通にやってちゃ入賞もおぼつかないと考えてるのかも。そのお騒がせウイリアムズとここまでいいことなかったトヨタ以外は、最低でも片方がリタイア。唯一トヨタだけがたなぼたとはいえ2台とも入賞し、逆にジャギュアとマクラーレンは全滅。とうとうザウバーにも抜かれちまったぞマク。ヤルノは漸く金曜日の男の異名を返上するか。初ポール初優勝がこのモナコとはなんてハッピーなんだろう。遅咲きのベテランが勝つのはいいものだ。もしかしてエディーよりフラビオのほうが目がいいのかしらん? 少なくともサー・フランクなんぞよりは。

    R7ヨーロッパ
    結局前戦はただの番狂わせでしかなかったのね。今年何度目のハットトリックだ? タクマはなんだかんだ云われてるが予選2位、決勝の食らいつきと現役ドライバーの中では第1級のパフォーマンスは見せているのは確かだ。あとは結果が・・・チェッカー受けなきゃラルフと一緒だもんね。それでもBARのラインナップは結構いいセンいってるんじゃないのか。早くて堅実な(いってみりゃアラン=ミハエルタイプの)ジェンソンと、今じゃレアものファイタータクマと。それにひきかえウイリアムズの為体とマクラーレンの惨状は悪循環以外の何ものでもない。フェラーリ、ではなく兄独走の全責任はひとえにこの2チームにある。モナコで止めたのもルノーだしな。あ、「直接」止めたのはウイリアムズか。どうやら奇数戦は1−2フィニッシュを飾るようにデキてるみたいなので、次のカナダはルーベンスがピット戦略に齟齬を生じて3位に後退、その間にタクマが2位に浮上初表彰台。その次のアメリカはまた赤い1−2、と来る。間違いない。

    R8カナダ
    さすがウイリアムズ、ストップアンドゴーサーキットでは強いね。え、レギュレーション違反だったん? 折角PP&2位フィニッシュしたのにねえ、弟よ・・・。なにを今更突っ込み入るんだろう。また赤いところからですか。フェラーリは裏をかいたっつうかなんか人を食ったような作戦だった。予選意味ナシ、と行為で示したようなもんじゃないか。タクマは惨憺たる有様。気持ちの上滑りでエンジンもお怒りか。つうか3戦連続ブローってなんだよそれ。ジェンソンのほうがエンジンに優しい走りだってえ流言も信じたくなってくるわな。結果的にはルーベンスが繰り上がり2位になったけど、予想通り1−3フィニッシュだったでしょう? え、タクマが2位に入ってない? そらどーも……

    R9アメリカ
    どうだ、やっぱりフェラーリ1−2だっただろう? ミハエルのルーベンス追い抜きがちょっと問題になってたようだが、コントロールラインとブリックラインを取り違えたフジのアナウンサーのせいだ。コース上の混乱を避けたピットマジックも、狙ってやったのだとしたらある意味すごい。ピットオタクレポーターが唱えるように、バリチェロが抑えてたとしてもいいじゃんか。レギュレーションに後続を抑えてはならないとは書いてない。しかし前戦に続いてひどいサバイバルレースだった。フェルナンドがクラッシュしてファン=パブロが失格にならなければ、タクマの表彰台もなかったかもしれないけれど、生き残るってこたあ重要な才能だからな。そこらがわかってないおつむのお弱い連中がF1ファンとやらには多くて多くて。その意味でもバウムガルトナーに最大の祝福を! で、サトーなんですが、くるまの上に乗ってガッツポーズはちょっと喜びすぎ? まだ3位なんだから。ジェンスより先に中央に立ってくれ。まあしかしなんだな、ミハエルとタクマを非難する連中で、アイルトンも嫌いな奴ってまずいないだろうね。死者の思い出は時とともに美しく歪曲されていくだけなのに。
    ここにきて口先男のジャックがウイリアムズに復帰するかも、なんて噂が飛んでるが、飛んで火にいる夏の虫となるか、マンセル再来となるか。でもなんとなくウェバーの後塵を拝しそうなんだよな。どうせならモントーヤと一緒に走らせてみたかったぞ。ラルフどころじゃねえ騒ぎになるはずだ。

    R10フランス


    R11イギリス


    R12ドイツ


    R13ハンガリー


    R14ベルギー


    R15イタリア


    R16中国


    R17日本


    R18ブラジル


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